かみうちの巻 173
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2023/10/24 [No.7558]

もう一度「餌合子/えごうし/えごし」の話
「餌合子」は日本伝統の道具です。
他国の伝統と一線を画す伝統的で、非常に重要な道具だと思います。
東北の鷹狩り(ひとりマタギ)、言わずと知れたクマタカ(熊鷹)の狩りにおいても、使われていた?と思わせる話があります。
東北の鷹狩りをモチーフとした漫画(故 矢口高雄氏の)に「餌合子」(釣りの餌入れ風ですが、叩いて音を教えるシーン有)が出てきます。
これがどう言った経緯で出てきたのかは、判りません。
ただ、宮内省の鷹狩り(放鷹術)をそれほど知っていたとも・・・
まぁ、花見先生の造語(テレビ出演時にご自身が作ったと言われています)とされる「人鷹一体/じんよういったい」と言う言葉(「最後の鷹匠」と言う作品で昭和52年と)も使われているんですが・・・

右が第8弾の「餌合子」で、樹脂製です。
左は木を削って作り、漆を塗った物です。
「餌合子覆い」も一閑張りで作ったんですが、池上鷹匠補にプレゼントしちゃい、現状なし!いずれ作らねば・・・と
漆を塗るには乾かす場所の確保をしないと・・・・


2023/10/23 [No.7557]

「丸鳩入」も「口餌籠」も
つけてなーい!

この写真は季刊ワイルドランド 春号でNPO法人 日本放鷹協会の前身「日本放鷹協会」が取り上げられた時に花見先生が資料提供されたと思われます。

※調教(現代語訳なのでわかりやすい)、花見先生のお話などかなり濃い内容です。

見ての通り「丸鳩入」や「口餌籠」を携帯していません。
別の写真でも同様です。
鷹が突っ込むから腰なんじゃと言う方もみえるかも知れませんが、弟子(とは、言っても私にとっては先輩方々ですが)の鷹を扱う浜離宮の実演などでは「口餌籠」を使っていますし、その時はちゃんとヘソの辺りにつけています。
腰に「餌合子/えごうし/えごし」です。
この写真からは通常の調教時に「丸鳩入」「口餌籠」は携帯していなかったことが判ります(少なくとも想像できます)。
これは、波多野鷹師から聞いていた話と整合性があります。

※残念ながら私は花見先生からはそんなにいろいろなお話は聞けていません。

「据え上げ/すえあげ」どうすんだ!?
いやいや、獲物を少し喰わせながら・・・なら、「口餌」外すのと同じです。
また宮内省の公式「鷭猟/ばんりょう」では、「羽毛を引かせる/けをひかせる」だけで喰わせてはいない様です。
チマチマにしても喰わせてたら、もちろん喰わせ方もあるでしょうが・・・数は獲れない。
生かして獲る・・といこともあるし、ボロボロのバンじゃぁねぇ〜と言うのもあります。
公式ですから、皇室への献上が前提ですし・・・
まぁ、「鷭/バン」程度の「据え上げ」なら喰わせずとも十分可能ですので、「餌合子」だけと言うのも・・・


2023/10/22 [No.7556]

「口餌籠/くちえかご」
「口餌/くちえ」「呼餌/おぎえ」となる「羽節」などを入れる籐製の籠。
籐が入ってくるまでは竹製だった?ようです。
宮内省のは籐製。
形もさまざまですが、河童では宮内省で見て来た中で気に入った形のものを、大きさなども含め、竹と籐で再現しています。

右が竹製のもの。
真ん中が籐製のもの。
左が放鷹協会に入会してすぐに自分で作った籐製のもの。
使っていたのでボロボロになってます。

入会当初は輸入の道具以外は買うことが出来ず・・・
和式の道具は、先輩にお願いするか(お願い出来るはずもなく)、自分で作るしかなく・・・
まあ、頭を切り替えて自分で作ることにしました。
幸い、作ること自体はそれほど嫌いではない。

ただ商品となるとプロの手を借りねばなりません。
「餅は餅屋」です。
一定レベルのものをちゃんと作ってくれます。
寸法などとデザイン、見本などは用意してですが・・・
もちろんそのまま販売出来る物ではなく、裏に革を張ったり、根付けを付けたりはしなければなりません。

朝、寒いのでストーブつけちゃいました。
まだ朝だけとは思いますが、今後は煮物が作りやすくなりますね!


2023/10/21 [No.7555]

「丸鳩入/まるばといれ」
“ 仕込み中 ”に携帯するエサ入れで、宮内省では「丸鳩/まるばと」を入れて使います。
「丸鳩」は、「真鳩/まばと」の頭を取って胸の皮を剥いたもの・・・なので、丸のままに近いが「真鳩」は結構小さい。
当然「丸鳩入」も小さい。

※「真鳩/まばと」は、シラコバト「白鳩/しろばと」とキジバト「山鳩/やまばと」の総称。

現在は伝書鳩を使うことが多く、良くて「土鳩/ドバト」(有害鳥獣駆除で許可を受けて捕獲されたものに限る/トリコモナス感染症などのリスクは高め)なので大きく作られています。

※伝書鳩(飼育されているもので、レースに勝つため大型化)も土鳩(野生化したものなので、生きていくためスリム化)も元は同じカワラバトです。

口が広いので落としやすく、さらに大きさが合ってないと・・・また、ウズラや鳩の「羽節/はぶし」とかならなおさら、走った時に落っことしちゃいます。
なので、実猟時には「口餌籠/くちえかご」と言うことになるんですが・・・
私は物臭なので、洗える「丸鳩入」の方が便利で、走る時は口を押さえて走ってます。
「臍/へそ」の辺りにぶら下げるので、トイレ探しているみたいで無様ですが・・・
また、鴨猟中に据え上げで川に入ると、水が入って口餌を流されたり、上がった時に重みを感じたり・・・で、いろいろ考えものです。

本来、皮製(皮で作り、漆を塗った物「漆皮/しっぴ」)もしくは「一閑張/いっかんばり」で作られています。
宮内省で見た物は皮製(漆皮)でした。

右はイマジネーション藤枝さんが製品化した樹脂製の物です。
真ん中は一閑張で作った物で漆塗りです。
左は一閑張で作ってあり、今後漆を塗る・・・・予定?の物です。

朝、河童の敷地内に設置されている電柱に鳥が止まっている。
朝焼けの逆光になるので、一瞬はカラス?と思ったんですが、オオタカでした。
たぶん、若鷹だと思うんですが、うちのが逃げたのか?と慌てて確認を・・・・
もちろん、野生の個体でうちの子達はいつもの場所に、いつものように・・・


2023/10/20 [No.7554]

「継ぎ羽根/つぎばね」
もう少し先・・・実演直前?実猟前?にでも継ごうと思っていたんですが、見てくれ悪くて・・・、尾羽がないとブレーキの問題もあり・・で、我慢しきれず・・・・
根元近くだと再度折れた場合、継ぐ余地が無くなる。
だと、継ぎ直せない・・・と、スケベ心が働いて、割りと先、つまりは細い部分で継ぎました。
なので、継いだ部分は丸分かりです。
模様も違うしね!
この子はとりあえず尾羽は傷んでますが、初列風切りは1枚も傷んでないので、まだ・・・
尾羽もヒナん時に傷んだためボロでしたが、調教中は傷んだのがある割にはと言う感じ。

継ぎ羽根は、通常「塒/とや」で抜けた羽根を使います。
この子は「若鷹/わか」ですから他の子のになります。
抜けた羽根ですし、身体と繋がってない、乾燥もしているので柔軟性は損なわれ、折れやすいのは当然です。
まぁ、少しでも羽繕いをして、脂を塗り込んで欲しいものです。

昼からは、来週末に実技の研修会もあるので、今季最後になるであろう芝刈りを行いました。
さすがにあまり伸びなくなってきていますので、最後かと・・・


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